海士日記二日目から最終日まで。
前回の日記の但馬屋のじっちゃんの言葉をいただいて、海士町(あまちょう)二日目が始まった。
午後からは海士町の素敵なお母さん、みっちゃんと山菜取りに行った。
わらびの群生してるところに連れてってもらい、みんなで摘む。
自生しているものをいただいて食べることって、ありがたい。
海士は山の中で牛を飼っているからいろんなところで牛と遭遇するよ。
山の道路で出会ったら、どいてもらうの待つしかない。
山に登ると、いろんな植物と出会う。
お地蔵さんもいっぱいいる。
みんなを見守ってくれてる。
夜はしまの三休というはっちゃんがやってるお店で、宴会。
はっちゃんやみっちゃんの手作りのおいしい島の料理。
わらびの韓国風、たけのこのてんぷら、新鮮な鯵のお刺身とウミウシの山椒あえ、ちらし寿司、お蕎麦、三つ葉のお吸い物、書ききれないほどたくさんのお料理、どれも愛情がたっぷりでおいしかった。
新鮮な魚ってこんなに美味しいんだって思った。
海士町は海も山もあるのでおいしい幸がいっぱい。
島の民謡と踊りを見せてもらいながらの宴、贅沢で楽しい夜でした。
きっと昔の粋な遊びとはこういうものだったのかな。
三味線に唄に踊りを見ながら飲むお酒。
時代劇の気分。おいおい越後屋おぬしも悪よのう。
私も少し沖縄民謡やホーミーにカリンバなど演奏させてもらい、みんなに気に入ってもらえて喜んでもらえてとてもうれしかった。
みんなに鳴り物の楽器持ってもらって一緒に奏でたりもした。
教育委員会の方が島におうち用意するから家族で来なさいって冗談のような本気のような言葉までいただいてうれしかった。
音楽と踊りとおいしいお酒とおいしいご飯と贅沢だったな。
三日目は島の歴史に詳しいお父さんから、島にあるお墓にまつわる話を聞いた。
五輪塔というお墓があって、五つの石が重なって出来ている。
下から、地輪、水輪、火輪、風輪、空輪という。
そのお墓が100以上あるらしい。
崩れているのもあるから数が把握できないんだって。
このお墓はそのお父さんの説では、大友一族が島に流されてそのご供養で作られたのじゃないかという、とても興味深い話だった。
歴史って今まで遠いものだと思っていたけど、海士町には後鳥羽上皇も流されたりしていて、歴史を身近に感じられるロマンや昔の日本のどろどろした面も教えてもらった。
日本の歴史って日本ってどんな人たちがつないできてくれていたのだろう。
午後は島の特産物の岩がきの春香(はるか)生産現場を見学に行って、ひとついただいた。
おいしかった。
かき好きの人にはたまらない美味しさだと思います。
東京でも高級な岩がきとしてオイスターバーなどで食べられるみたい。
そのあと島の温泉に行く、この温泉300円、島の公衆浴場って感じでいろんな人と話が出来るよ。
しかも実は(ひまわり)っていう老人ホームの中のお風呂でもあるんだ。
ここのボスが面白い人で、若い男の人、片桐さん。
天空の城ラピュタの最後のほうに、人は土と離れては生きていけないってのがあるんだって、それで片桐さんのお父さんの生まれた島で生きること決めた。
老人ホームのテーマが去年は音楽で今年は出会いなんだって、素敵過ぎる。
最終日のラストにここで演奏会させてもらえることになるとは、このときは考えても見なかったな。
お風呂で出会った、この施設で警備をしてるお父さん。
お風呂の前に片桐さんに一曲聴いてもらったのを遠くで聞いててくれたみたいで、あんた上手だね。
絵に色があるのと同じように、音にも色があると思うよ。って教えてくれて。
あんたの音にも色があってよかったよって。みんな喜ぶからどんどんやりなさいって言ってくれた。
四日目は島の神楽(かぐら)の名人でもある地区長さんに会う。
夏の音楽祭の会場のことで相談に乗ってもらう。
すごく応援してくれて、優しくてオープンな人でした。
あきや海岸という最高の場所で出来そうです。
楽しみだな。絶好のロケーション。
午後は小雨降るなか、泊めてもらった友達の庭の畑の草刈り。
そしてまた温泉。
体が少し冷えたから、温泉最高です。あったまる〜。
そして、最終日。
15時45分のフェリーまでフリータイム。
午前中、散歩して商店をのぞくもなかなか島の人といきなり話すことは難しいなと感じたりしながら、近くの神社の境内にいい場所見つけて、のんびりと一人音楽タイム。
鳥の声と風の音が聞こえるなかの音の旅。
この島は自然が人と同じところにいるから、鳥と風と木々と草とみんなと音楽しやすいよ。
楽しかった。
もうちょっとで曲ができそう。
そのあと、島の人と出会うなら、テーマが出会いのあの老人ホームだと思って、ひまわりに自転車をこいで行く。
お昼が終わったあとに少しの時間、音楽させてもらえるかなと思ってアポなしで行ってみた。
片桐さんがいて、すぐ話がまとまり。
ほんとは出張でいなかったはずなんだけど、波が高くて船が出れなかったから、居てくれたみたいで、ありがたい。
急遽午後のレクレーションタイムにやろうって。
おじいちゃんおばあちゃん30人から40人くらい聴いてくれた。
前にテープであさどやゆんたの演奏にあわせて職員さんが踊ったことがあるみたいで、職員さん二人と片桐さんがフラダンスの衣装まで着てくれて、唄と一緒に踊ってくれた。
最初から会場があたたかかった。
そのあと、鳴り物民族楽器の紹介、涙そうそう、すべての人の心に花を、ふるさと、上を向いて歩こう。
終わったあとみなさんと一人ずつ握手を施設の人が促してくれて、みなさんと握手してもらった。
のりおちゃんまた来てね〜。応援してるよ〜。って。
みんなに応援してももらった。
100歳のおばあちゃんもいたし、演奏中笑顔でずっと聴いてくれていた方もいた。
素敵な笑顔にたくさん出会えた。
また来ますって言いいながら、涙が出るほどうれしかったです。
音楽ってほんとにいいものですね。
なかなか普段では出会えない空間がそこに出来るんだ。
音の旅、これからますます始まります。
長い日記、最後まで読んでくれてありがとう。
海士町のみなさん、たくさんたくさんお世話になりました、ありがとうございました。
これからも末永くよろしくお願いします。